急に水道の出が悪くなった。
するとあれ程五月蝿かった蝉の鳴き声もピタリと止む。
「来たか」
私は水道を止め、二階に駆け上がり布団を被って体を隠す。
一心不乱にお経を唱える。
永遠に止まったかのような沈黙。
そして又蝉が鳴き出した。
「去った」
私は仏に感謝し下へと降りた。
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