#呟怖
ダメだよ
ふわりと浮いている彼が、首を横に振っている。眼窩は悲しいほどに、深い黒さに満ちている。
ここに来てはダメだよ。
爪先に、よじ登る、藤壺の群れ。
背中に這う、船虫の群れ。
ああ、生きたい。
叫ぶと、彼はほほ笑み、消えた。
断崖に、光が点った。
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