石畳の上で跳ねていた小魚を、歩道脇の海へ戻してやろうとつまんで持ち上げたとき、周囲の人々が全くいなくなっていることに気付いた。
いつの間にか手のひらの小魚もいない。
視界の端の動く影を反射的に目で追うと、時計を持った魚が、目の前の古びた建物へ忙しなく走り込むところだった。
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