夕暮れの下校時。
忘れ物をして図書館に戻ると、珈琲の香りが漂っていた。
貸出カウンターでカップ片手に本を読むおじさん。司書の先生ではない。目が合うと気まずそうに、
「飲食禁止だね、内緒だよ」
と、忘れ物の筆箱を差し出した。
あれは誰だったのか。同級生に聞いても、誰一人知らない。
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