亡国の王子は月夜の下、刑に処せられようとしていた。
目隠しされ後ろ手に膝を折った王子を刑吏は見下ろした。
「最期の望みは?」
「月が見たい。今日という日の夜空を
あの世の土産に」
刑吏は目隠しを外した。
数分後。
処刑人たちは地に伏し、人の形をした獣が月に吼えていた。
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