その兄が偽物だという事はすぐにわかった。
山で迷った僕が泣いていると声がした。服装こそは兄と同じだったが、目鼻口の位置があべこべだったのだ。
「大丈夫」
不気味な容姿に反し、その声は優しく、手は暖かかった。
麓に着いた時、あの兄は居らず握った手にはどんぐりが一つ入っていた。
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