その夜は確かに降っていたのだ。
「なんで濡れてるの?」
店長が驚いた顔で聞くので、
『雨が降ってたからですよ』
僕は鞄を拭きながら言った。
「こんな月夜にかい?」
驚いて外に出ると雲一つなく地面も濡れていない。
手元を見ると僕は傘を握っていた
買った覚えのない、真っ赤な傘だった
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