その男は常にラジオを持っていた。
「ノイズに耳を傾けると奥の方で声がするんだ。
懐かしい…妻の声が…」
病室、最後の時もそのラジオは男の傍にいた。
遂に事切た時、「おやすみなさい」と一言女性の声で流れ、それっきり。
それが妻の声なのか、はたまたラジオ自身の声なのかはわからない。
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