いつ頃の建物だろうか。
古びた石組はバニヤンの根に持ち上げられ、半ば宙吊りのまま呑まれようとしている。
無事な壁面に刻まれた浮彫は苔に覆われ、その上をネペンテスの蔓が這う。
無数の壺型の捕虫葉は口を開き、風が通る度に幽かな笛の音で歌う。
記すこと能わざる和声は緑の闇に溶ける。
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