夫が好きだった山。
山頂に着いた達成感から、普段は近付かないような断崖を覗いた。
不意に下から手が伸びて足元を掴んだ。
悲鳴を上げると、岩肌を登ってきた男性が驚いて手を離した。
六年前に亡くなった夫だった。
六年前、寝室でなぜか落下死していた時の姿で。
私が今、夫を殺したのだ。
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