記憶にあるのは母様の着物の色。
柘榴色と教えてくれた。
これが好きなんて母様に似たのね、と嬉しそうに。
母様が亡くなり私の部屋は床下に移された。
蝋燭の灯りでは見える色も僅か。
あの色が恋しかった。
父様も亡くなり兄様が迎えに来た。
眩しさに俯いた私の足の間から、柘榴色が零れた。
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