私は小さな舟に乗っていた。
縁に手をかけ見下ろすと、少女が一人、水面下で両手をゆっくり振って私を見ていた。
生きてる、助けなきゃ。
「手を大きく広げた時に呼吸をしているんだよ」
渡し守がそう言って、櫓で少女の腹を突いた。
沈んでいく少女を、私は見ていることしかできなかった。
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