92年の嵐の後の事だ。
天気は回復していたが、木立の中は倒木だらけで歩くのにも難儀した。
その場所は開けていて、遠くからでも横たわる博子がよく見えた。
佐伯博子。21歳。大学生。
山に捨てた女が恋しくて会いにくるのは初めてだった。
俺は冷たい彼女の体を掻き抱きながら、唇を貪った。
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