#呟怖 雨の午後。長い坂道の途中に赤い傘を差した女が立っていた。顔は傘に隠れて見えない。あゝ嫌だな。視える体質は厄介だ。気付いたことに気付かれてはいけない。何気ない振りをして女の前を通り過ぎ、坂道の上でほっと息をする。ふと足元の水溜りを覗くと、私の背後に赤い傘がちらりと見えた。
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