#呟怖 残暑の昼下がり。一つ目の鬼が鳥居の柱に凭れ座り込んでいた。肩を落とし俯いた様子から、おそらく神域に入れないのであろう。鬼が願掛けでもするのかと思ったが、あるいは前世は人だったやも知れぬ。参拝を済ませて戻ると、先刻の一つ目鬼の姿がない。声を掛けなかったことを少しだけ悔やんだ。
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